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冬の設え

街路樹の鮮やかな日々だというのに
「もう12月」という言葉が何かの流行りみたいに至る所から聞こえてきて
やっぱりこの時期は特別なんだなと思う。
ハロウィンからアドベンドにかけての季節は確かに華やかで
時に一年分の憂さ晴らしにさえ見えるのはただのひがみだろうか。

今年はほとんど日本にいられなかった。
ゴールデンウィークがすぎたら、お盆になったら、お月見の頃には、などと
気持ちの中では仕事に区切りをつけて家に帰りたいと思ってはいたけれど、気が付けばこんな時期だ。
何かの間に合わせみたいで、いっそ帰ってこなければなどと思ってみたり。


姪はもうずいぶん口が達者になった。
妹がいないときにぼくにテレビ電話をかけてくることもあり、
妹の口ぶりそっくりに、ぼくの体を気遣ってくれる。
「あんまりのむとからだにさわるから」なんて
きちんとわかっているとは思えないなぁと思っていたけれど、
それが実は案外そうでもないらしい。


姪:手紙?
ぼく:うん、紙に書くんだよ
姪:こっち(※テレビ電話)だとちゃんと見えるよ
ぼく:うん、でもね。手紙のいいところもあってね
姪:うん
ぼく:鉛筆をもってさ、相手のことを一生懸命考えるんだよ。
今ごろは何してるかなとか、もうお風呂に入ったかな、とか
姪:うん、私も考えますよ
ぼく:そうだね。でも考えたことは全部紙には書けないから、
はみ出しちゃうから、大事なことだけしか書けないでしょ?
姪:うん
ぼく:うん、だから手紙には大事なことだけがいっぱいだから、
嬉しいとか、楽しいとか、書いた人の気持ちがきちんと伝わるんだよ。
姪:うん!

その後、テレビ電話の向こうで鉛筆を持って便箋に向かう姪と何度かやり取りをし、
しばらくしてからぼく宛てのエアメールが来るようになった。
「あまりおさけをのみすぎないでね」と、毎回のように書かれてあるのは
実は妹の入れ知恵ではなかったと知ったのはずいぶん経ってからだった。
そんなわけで、ぼくの寝る前に飲むアルコールの最後の一杯は
ホウレンソウのスムージーになった。
ただ、その最後の一杯がほとんどの場合において、
その日のディナーを兼ねているということは妹には話していない。
きっと妹の気に障ってしまうであろうから。









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